【レビュー】Hiby R6 III エントリークラスからのステップアップに丁度良い一機
どうも。
今回はこちらのDAPを入手しましたので簡単にレビューしていきたいと思います。
こちら発表当初からずっと気になっていたモデルで発売時期を見越して予算を貯めておりました。というのは半分冗談半分本気で手持ちのガジェットやオーディオを整理したらR6 IIIを買えてしまう位になったというのもあります。
それでは本題に入っていきましょう。
【R5とのスペック比較】
共通項目(最大出力、THD、ノイズフロア、S/N比、クロストーク)を抜き出して記載します。まずは3.5mm出力から。(※e☆イヤホン、MixWave公式サイトより抜粋)
3.5mm出力 | Hiby R5 | Hiby R6 III |
最大出力 | 148mW(RMS) | 125mW |
THD | 0.0014 | 0.0008 |
ノイズフロア | 2.1μVrms | 2.1μV |
S/N比 | 120.5dB | 119dB |
クロストーク | 71dB | 68dBr |
お次は4.4mm出力を。
4.4mm出力 | Hiby R5 | Hiby R6 III |
最大出力 | 564mW(RMS) | 405mW |
THD | 0.0015 | 0.0005 |
ノイズフロア | 2.64μVrms | 3.5μV |
S/N比 | 124dB | 120dB |
クロストーク | 108.5dB | 100dBr |
簡単に言うとTHD(全高調波歪み)とS/N比、クロストークが改善された感じでしょうか。出力は下がっています。
【操作感】
- 当DAPのCPUにはQualcomm Snapdragon 665が使用されており大体2020年以降のエントリーからミドルクラスのスマホに使用されていたもののになります。性能よりかは省電力を優先したタイプのCPUなのでアンプ部分での電力消費の多いDAPに向いている事で採用されたと考えられます。しかしながら性能はR5とAuTuTuスコア比較で3倍以上のスコア差となっており、操作性が向上しています。実際にAmazon Musicを操作してみるとその差は歴然で、R5では気になったカクつきや遅延が殆ど起こらずサクサクとストレスフリーに操作する事が出来ました。手持ちのスマホであるGoogle Pixel 4aと比べると若干劣りますが、しかしR5よりは大分マシです。動画視聴や音楽鑑賞、ブラウジング用途であれば特に不満を感じる事は無いかと思われます。CPU性能の向上に伴いR5で感じていた不満点に関しては殆ど解消されました。WifiやBluetooth接続時の待ち時間もR5比ですぐ繋がる様になり、細かい点でのストレスも無くなりました。
- 出力端子は3.5mm、4.4mmでアンプ等に繋げる為のラインアウトも同数用意されており、計4個の端子となっています。私はアンプも一応所持しておりますが余り使用する機会が無いためAliexpressで販売されているシリコン製のダストプラグを購入しました。
- ボリューム調整は高級DAPではお馴染みのダイアル式。私はAKjrを使っていた頃のダイアル誤作動爆音トラップのトラウマがあるのでダイアル式には苦手意識があったのですが、こちらのダイアルは回してみるとカチッカチッとしっかりと引っ掛かりクリック感が感じられ比較的安心して回す事が出来ました。蛇足ですが付属のクリアケースを装着するとボリュームダイヤルが少々カバーされ、多少勢いよく扱っても小刻みに回しやすくなります。
- 外観は今回グレーを選択しましたが個人的にはグレーというよりシルバー寄りなカラーな印象です。装飾は少なく煌びやかさは余りありませんが金属の塊感があり質実剛健と言った所で静かな高級感が感じられます。サイズ感はR5に比べると一二回り大きくなりましたね。ポケットのサイズによっては入れて持ち歩くというのが大変になってくるサイズです。重さは250gとそれ程気になる程ではなく手に取ると思っていた以上に軽いと感じられました。また保護フィルムは最初から前面背面に貼り付けられているのも楽でポイント高いですね。
- バッテリー持ちについてはAB級アンプモードでの動作ですがR5よりもバッテリー持ちがそこそこ良くなっています。R5の3500mAhからR6 IIIでは4500mAhに増量された事も大きく、バッテリーのパーセンテージが10%低下するまで約1時間半掛かりました。(AmazonMusic音源、画面消灯、3.5mm端子、Wifi動作)単純計算で約15時間動作する事になります。公称値通りとは恐れ入りました。
- microSDカード挿入口はDAP左側側面に設置されています。R5ではプッシュピンが無いと取り出し出来ませんでしたがR6 IIIではそれが撤廃され、シンプルな差し込み方式となっています。ピンを用意する手間が減り個人的に嬉しいポイント。
【音質について】
音源は同じもの(Amazon Music HD音質、ビットレート850kbpsでCD音質相当)を使用しています。一聴して分かるのは空間表現がR5に比べ体感出来る程向上していますね。空間が広くなる事でシンバル・ハイハットを始めとした金物類の響きが残響感を残しつつ広がり、逆に曲の休符部分ではシンと静まり返る感覚があります。それに伴って音楽の臨場感・ライブ感がしっかりと感じられます。より音楽の余韻を味わえる様になった印象でDAPとポタアン、それぞれの美味しい所が上手くミックスされていますね。
単純な解像感だけでみるとR5もR6 IIIも中々良い勝負、これは音源の限界もあるのだと考えられます。ただ音空間の広さは明確に違いがありR5はライブハウスでギュッと音を詰め込んで頑張って鳴らしている印象で、R6 IIIはホールで余裕を持って程よくふくよか、朗らかに鳴らしている印象。R6 IIIを聴いた後だとR5は音が近く感じられますね。しかしながらR5は改めてコスパの良いDAPだったのだと再認識させられました。
知人のFiio BTR7と比較してみるとBTR7は低域の量感と柔らかさが感じられる暖色系のサウンドでHiby両機は比較的すっきりはっきりとしたサウンドの印象を受けました。AK系はもう少し寒色系に寄ったサウンド作りをしている印象です。
【自分の使用環境や設定について蛇足】
初期設定の仮想キーボードでは数字の打ち込みが少々手間で初期からインストールされているGoogle日本語入力に設定しました。こちらはスマホと同様のフリック操作なので個人的にはやりやすいです。音質設定周りは分かりやすく音圧が向上するのでハイゲインで。後は電力消費を考えてステータスランプ(電源ボタン脇のLED)を消灯しています。こちらは設定のディスプレイ項目から弄る事が出来ます。
個人的な話なのですが、R6 IIIが届いてしばらく音楽を聴く事が出来たのですが、突然全ての端子から音が出なくなってしまい初期不良で交換する事となりました。こういった不慮の事象があり得るので購入する時は多少高くても保証がしっかり付いてくるものを買うのが良いと思います。あと早期購入特典で付属してきた高級感ある革製ケースですが、ケース自体が硬くてこの原理を利用したり色々としましたがこれ以上力を籠めるとDAP自体に傷が入ってしまいそうで自分の力では装着する事が出来ませんでした…あれを装着出来る方はきっとマッシブな方なんでしょうね。こちらは普通にパワーではめ込むのかと思いきや背面のマジックテープを開いてスライドさせて差し込むみたいですね。記事投稿後に読んでくれた方に教えて頂きやっと理解しました。頭足りてないのは私の方でしたね…
【感想とか】
総じて価格面や音質面、操作面で非常にバランスの取れたDAPだと感じました。タイトルの通りHiby R5を始めとしたエントリークラスのDAPからのステップアップに最適だと思います。もちろん初めからこの機種を買って末永く使うのも良いでしょう。Hiby製品は音の味付けが他のDAPに比べてニュートラルな印象でイヤホンの個性を崩す事なく引き出してくれますね。
Android搭載DAPでストレスなくストリーミングアプリでの音楽再生や動画鑑賞を楽しみたい、かつ予算もそれなりにある方なら選択肢に入れても良い一品です。購入の参考になれば幸いです(*´▽`*)