物置小屋No.44二番館

イヤホン聴いたり、何かレビューしてみたり、他自分の備忘録

MENU

【プチレポート】春のヘッドフォン祭 2023

どうも。

今回はタイトルの通り春のヘッドフォン祭2023の方に行ってきたので試聴してきた機種の簡単な感想についてレポートしていきたいと思います。

今回はイヤホンが好きな友人も誘ってのヘッドフォン祭だったので少し足早に撤退したので数は少な目ですがなるべく新作を聴くように意識して試聴してきました。

◆JAPAEAR Shou-Geki

一聴して感じたのはJAPAEARらしい全帯域がエネルギッシュな大迫力ドンシャリサウンド。音の押し出しが強く、ボーカルはカラっと乾いていてしっかり前に出てきます。解像感もワイヤレスの中ではかなり頑張っている方ですね。TWSイヤホンの音質が格段に良くなってくるのは大体2~3万円辺りからのイメージなんですが全然負けている印象はありませんでした。シンバル等金物類が金属感あり煌めき少々聴き疲れしそうです。音楽を前のめりに聴くスタンスになりたくなる楽しい音。低域は深い所までしっかり出て沈み込みも感じられました。噂ではかなりお手頃な価格で販売されるみたいで自分もかなり欲しくなった一品でした。


◆Lifelike 試作イヤホン

こちらTwitterで内部構造等について呟かれていて気になっていた一品です。1BAモニターモードと4BAリスニングモードをスイッチで切り替え出来るモデルで、1BAモードでは音のに癖が無く素直な鳴り方。傾向としては暖かみが感じられるかまぼこ寄りで飾り気のないすっぴんサウンド。ボーカルの芯がはっきりしており耳元近くで太く鳴らしてくれます。4BAモードでは1BAモードで足りないと感じていた低域と高域にそれぞれウーファーとツイーターが配置される具合でレンジ感が広がりました。各帯域がそれぞれ分離した様に鳴るので音の繋がりを意識される方は1BAモードの方が好みに合うかも。ボーカルは全く傾向が変わらず暑苦しさを感じられる位のド太さで暖かみと柔らかさが感じられます。ボーカルが肉感たっぷりの芯のある太いサウンドなのに他が繊細に聴こえる不思議系かまぼこに変貌しました。自分はこれ位個性のあるイヤホン、嫌いじゃないです。

ちなみにフェイスプレートに付いている丸いパーツは可動式の排圧ベントでメーカー側の意図としては外耳道内の空気を抜く事でより耳に深く密着(密閉)する事を目的としたものとの事。可動式なので空気を抜かずに装着する事も可能なので好みで調整出来るのは遊び心があって良いですね。


◆Shokz Openfit

耳を塞がないタイプのTWS型のオープンイヤーで一瞬Shokzの事だから骨伝導なのかなと思ったのですがこちらは耳元にスピーカーを配置するタイプのもの。癖がなく自然な音で中々高解像で音が聴き取りやすかったです。オープンながらも低音もしっかりと聴き取る事が出来ました。音漏れは骨伝導系と比べるとやはり大きいですね。公共交通機関での運用よりかはながら作業などに向いている様に思います。とにかく耳元の解放感が半端ない一品でした。


◆G4 仮想アース搭載DNA+1

Twitterで制作者が紹介されていたのがとても気になっていたので聴いてきました。アース有りのものの方が無しと比べると若干音が澄んで響きが乗る様になった様に感じられました。音が遠くなった事で空間も広がり金物類が前に出てくる様に…?寒色系のサウンドに寄った感じで仮想アースだけでわずかながらも変化が現れる事に驚きました。


◆Madoo Typ821

Madooからの新作イヤホンです。結構音量取りますね。すっきりシャッキリ高解像サウンドで音空間も広く感じました。金物類にしっかり金属感が感じられ、ベースの芯もはっきりしており非常に真面目な質実剛健としたイメージを抱かされます。それでいながら音には変なディップや癖が無く聴き込んでいくにつれ自然でまとまりがある様に感じました。傾向としてはフラットから弱ドンシャリで寒色系サウンドな印象です。メーカーの方に搭載ドライバーについて伺ってみた所、プッシュプルプラナーシングルドライバとの事で平面駆動の分離感とまとまりの良さを両立したサウンドである事に改めて納得のいった私でした。


◆Starry Audio Yoru

確か1DD+3BAのハイブリッド構成のイヤホンとなります。低音はDDらしく重く弾力感がありますが圧迫感は少な目、中高域は角が立たず癖のない感じで自然ながら明瞭で落ち着いたトーンです。名前の通り夜に音楽をリラックスしながら聴くのに丁度良い塩梅に仕上がっている様に感じられました。総じてバランスの取れたオールラウンダーなサウンドです。フェイスプレートが綺麗なのも良いですね。


◆P-EAR-S SH-2

こちら2BA 2WAYの機種となります。一聴してみて低域のわずかにぼやける感じ、芯の無さが若干気になりました。中高域はシャッキリハキハキとした印象で明瞭さのある中高域と柔らかな低域が凸凹コンビのようでまるでハイブリッド機種を聴いているかのように錯覚させられます。ハイブリッド好きな私としては結構好みなサウンドで好印象でした。


◆ADV TURBO

車とかに装着するターボチャージャーの様な見た目からして低域お化けなのかと思ったのですが聴いてみたらこれが意外と真面目系なサウンドでした。正統派高解像でハイハット等の粒立ち良く気持ち良いです。低域はしっかり制動されたDDが圧迫感少なくも優しく下の深い所まで支えてくれ、量感は少な目ながら左右への広がりが感じられました。ステムが太目なのと筐体が大きく耳の収まりが人を選ぶので要試聴ですね。


◆AROMA AUDIO 試作品ver2

一聴してのインパクトが今日一番大きいイヤホンでした。低域の存在感がはっきりしており空気感の表現も非常に上手く、それに伴って感じられるのはとても広い音空間と身体が動き出してしまいそうになる臨場感でした。存在感ある低域に負けず前に前に主張してくる中高域も音の粒が繊細で総じて高解像、いつまでも聴いていたくなるエネルギッシュで楽しいサウンドでした。低中高全部パワフルに押し出してくるのでUシェイプと言うよりはWシェイプな音の傾向。同社のJewelも聴いたのですがJewelはより落ち着いた各帯域の繋がりに長けたトーンでしっとりと音楽を聴ける一品です。価格はやはり高くなる事でしょうがこのサウンドのまま販売されたら間違いなく売れるだろうと思える逸品でした。


◆Campfire Audio Andromeda Emerald Sea

刺激的で煌めく様な高域は落ち着き代わりに低域の表現力が向上した様に感じられました。トーンバランスは近いものの特に低域が野太くなり個人的には今までのAndromedaシリーズとは別系統のサウンドであると思います。今まで平面的に感じていた音空間に立体感が生まれ空間表現が向上しました。特に印象深かったのが低域のレスポンスの良さ、キックやスネアのアタック感がそのままトットッと鼓膜に直接伝わってきます。この感覚は普通のイヤホンでは中々味わえないのでそれだけでも一聴する価値はあります。デュアル振動版BAドライバによるものか感度は低くなっており今までのシリーズより音量を取る様になりました。


◆Campfire Audio Solaris Stellar Horizon

ボーカルが炭酸飲料の様にシュワっと爽快で透明感というかステレオ感が感じられました。低域の押し出しは体感でAndromeda Emerald Seaより弱めです。音の繊細さはこちらの方が上なのですがAndromeda ESに比べると若干綺麗にまとまってしまった印象。


SHUREのTシャツが当たったりメーカーの本拠地産のチョコレートを頂けたりとヘッドフォン祭始めポータブルオーディオイベントに関しては最近はアメニティ類を入手する事が目的となりつつありますが、行く度に新しい発見があって何度行ってもワクワクしますね。友人もポータブルオーディオイベントの瘴気にあてられてしまったのかこの記事を執筆する直前に高額なイヤホンを買ってしまったと連絡が来ました。これには思わず私もにっこり。AROMAの試作品が商品化されるのが非常に待ち遠しく感じた今回のヘッドフォン祭でした。