物置小屋No.44二番館

イヤホン聴いたり、何かレビューしてみたり、他自分の備忘録

MENU

【レビュー】KOSS PORTAPRO MMCX化カスタムでよりラフに聴ける一品に!

どうも。

今回はこちらのヘッドホンを簡単にレビューしていきたいと思います。

KOSS PORTAPRO

こちら私が2022年秋に購入した時には既に生産完了しており新品相場も生産完了以前から倍近くに跳ね上がっていたのですが、eイヤホン店頭にて中古品が3000円台で販売されているのを見掛けて思わず手を出してしまいました。

初聴きはイヤホンやヘッドホンに興味が出始めた頃にヨドバシカメラで試聴したのですが、当時価格3000円台で音質関係なく音楽を楽しく聴かせてくれるアメリカンな個性が印象に残っていたのを覚えています。

それでは本題に入っていきましょう。

【MMCX化カスタムの経緯】

こちらのPORTAPRO、中古価格が安かったのには訳があってケーブルにタバコ臭と書かれていたんですね。元々リケーブル化が可能である事を知っていたのでその辺りの問題は解決できるだろうという事でカスタムしてくれるショップに依頼しました。

smart-sound.jp

カスタムしてくれたのはSmart-Soundさん。今回はSmart-Sound公式LINEを利用しました。決済から送付、改造後の返送までほぼ全てLINE内で完結しており非常に楽でした。他の修理やカスタムもこちらのLINEで手続きする事が出来るのでスマホ世代にはありがたいサービスですね。もちろんメールでの手続きを行う事も可能です。申し込みから改造品到着まで約5日、こちらも非常にスマートかつスピーディーな流れです。

ちなみに元の純正ケーブルはMMCX加工してもらう事は出来ません。純正のまま使いたいという意思の固い方は別な所でMMCXコネクタを装着してもらう必要があります。


【ケーブル&イヤーパッド選定】

MMCX化後、有線での運用をしても良かったんですがよりラフに気軽に使える様に今回はワイヤレスMMCXケーブルを使用する事としました。耳掛けフックの付いたものだと取り回しや装着感に影響が出ると思ったのでフックの付いていないradius HC-M100BTにしました。価格もAmazonでは2000~3000円台とリーズナブルなのも選んだポイントです。

www.radius.co.jp

イヤーパッドは純正より厚みのあるYAXI for PORTAPROを選定。

www.e-earphone.jp


【使用感】

  • フィット感:YAXI製のイヤーパッドですが純正よりも厚みがあり長時間の音楽鑑賞でも耳への負担がかなり軽減されました。パッド装着もヘッドホン本体の耳部分にはめ込むだけなので簡単です。音質にも少々影響があり、純正に比べて低域の量感が僅かに減った分より抜け良く開放的に鳴る様になりました。パッドの厚みでドライバーとの距離が広がった事も要因の一つであると考えられます。逆に迫力ある元気な音を求めるなら純正のままでも良いと思います。また、ヘッドホン本体が軽量であるため長時間の使用でも頭頂部が痛くなる事なく使用し続ける事が可能です。側圧がそれ程強くなく耳が痛くならないのも良いですね。
  • 携帯性:軽量かつコンパクトに丸めて折りたたむ事が可能なので鞄やリュックに放り込んで気軽に持ち歩く事が出来ます。

  • 遮音性:オープン型ヘッドホンかつ密閉度の低いオンイヤータイプですので外の音は勿論聞こえます。音量を下げれば普通に他の人と会話する事も可能です。外に音もだだ洩れなので公共交通機関などでの運用は余りしない方が良いかと思われます。
  • ケーブル:今回radiusのMMCXワイヤレスケーブルを採用しましたがこれが中々使い勝手の良いもので、純正ワイヤレスタイプには無かった着脱可能なクリップが付属しており、シャツなどの襟元に固定して歩行中でもケーブルのリモコン等の左右の重量差によって徐々にケーブルが片寄ってくる事も無くストレスフリーです。ボタン動作自体は若干もっさりしておりラグを感じますが頻繁に操作する事が無ければそこまで気になる事は無いでしょう。しかし耐久性については他の方のレビューを見てみると数か月で断線するという話もあり今後どうなるのか少し留意すべき点だと思います。SHURE掛けする運用だとコネクタ部分への負荷も相応にありますので今回のPORTAPROでのケーブル吊るし運用とは多少差は出るかと考えられます。ケーブル自体の質感は若干チープですね。吊るし運用の為、使ってから半年近く経ちますが今の所癖が付いたり皮膜劣化等は起こっていません。タッチノイズはヘッドホンの為ほとんど気になりませんでした。

【音質について】

※上の表は音の量感を表したグラフで、高いほど高音質と言う訳ではないのでご注意下さい。ケーブルはradius HC-M100BT、スマホ(Google Pixel4a)でAptXコーデックとなります。

【低域】

圧迫感なく柔らかく優しく広がるウォーム系な印象です。ベースの芯もしっかりと感じられます。オープン型の抜けの良さも相まってサウンドステージは広めに感じられます。しかしながらしっかりとベースの存在感は感じられ、音楽の土台をしっかりと支えてくれています。側頭部全体を低音の膜で優しく包み込んでくれている様に錯覚させられます。若干まったりとした鳴りですがキレは悪くなくハイスピードなジャンルでもこなせる柔軟性も持ち合わせています。

【中域】

ボーカルのエッジが丸く、歯擦音や破裂音を始めとした耳障りな音を出しません。変な強調感も無くとてもニュートラル。他の帯域と比べ若干量感は少な目ですが邪魔される事もなく上手く調和が取れています。若干ドライな鳴りで透明感・明瞭感はそれほどありませんが不快に感じる程ではないレベルに収まっています。メロディ類も埋もれずしっかりと聴き取る事が可能です。

【高域】

BTケーブルの限界もあるのか他の帯域に比べると控えめな印象を受けます。ハイハット等金物類の刺さりは皆無でこちらもマイルドで丁寧。頭打ち感も多少感じますが抜けが良く軽快かつドライに鳴らしてくれるのでそれ程気になりません。聴き込むと意外と粒立ち細やかに鳴らしている事に気付かされます。余り高域を期待して買うヘッドホンではありませんね。

【全体】

一聴すると低域多目の弱ドンシャリですが中域もそれ程引っ込んで聴こえる事も無いため暫く聴き込むとピラミッド寄りな暖色系ともとれるサウンドです。角の立つ音が無く聴き心地はとてもマイルド。流石にBTケーブルの限界はあるのか全体的な解像感は際立っておらず近頃のイヤホンと比べるとアナログ感を感じる鳴り方、どちらかというと抜けの良さと全体のサウンドのバランスの良さで音楽を楽しく聴かせてくれるリスニング系に位置していると感じました。分析的に聴くというよりかは音楽を一つの塊として捉えるといった使い方が合っているヘッドホンです。逆に分析的に聴こうとすると細かい粗が目立ってしまうので普段使っている高解像なイヤホン類とは違う見方で音楽と向き合う必要がある面白いヘッドホンです。

【ケーブルを変更してみての試聴】

試しに使っていなかったALO AudioのSmoky Litz Cable(3.5mm)に換装して聴いてみました。やはりというか中高域の変化が大きかったですね。全帯域で明瞭感が向上しぼやけていた音像がはっきりしました。BTケーブルで不満に感じた点がほぼ全て改善され、低域は締まりが出てソリッドな印象に。中域はじめボーカルは透明感が伴いより瑞々しく主張が強まり、高域も傾向はそれ程変わりませんが抜けがより良くなり頭打ち感なくスッと伸びていきます。当時聴いた印象そのままのシャッキリ元気なサウンドでより音楽を楽しんで聴けるヘッドホンとなりました。安価なBTケーブルとは利便性と音質のトレードオフである事を再確認させられました。しかし低域の鳴りだけはBTケーブルの方が好みでしたね。


MMCX化した事で、BTケーブルではとにかく気軽に楽しんで音楽を聴こうという前向きなスタンスでそっと日常に添えられるBGMとして聴き流すのに最適で、本格的に音楽を聴こうという時には有線接続でシャキっと元気にしてくれる、そんなマルチに使えるヘッドホンに変わりました。皆さんも手持ちのPORTAPROを最近余り使っていないな…と思っている方はMMCX化を検討してみてはいかがでしょうか?